着物を着る際には、注意すべきことが幾つかあり、その中でも右前(みぎまえ)で着るということが大切ですが、何故着物には右と左があるのか知っている方は少ないのではないでしょうか。知らない方のために今回は紹介いたします。
長襦袢や様々な服ではまず右側から体に当てて、次に左側を重ねるという着方をしますが、この右側が手前に来る着方は右前と言われていて、これにより帯と体の間に懐(ふところ)という隙間ができるのが特徴です。
昔の日本では懐の部分に、手拭いやお財布、小刀等、色々なものを仕舞っていたとのことで、右利きの人には、とても便利な収納として活用されており、使いやすかったのです。
侍にとっても弓矢の練習には右前があることで利便性が高く、弓矢を放つ際には弓に近い左側の袖を脱いで行われますが、着物の右前という着方では、袖が脱ぎやすいのでとても効率的だったりするそうですよ。